第772回
健康産業のヒントがたくさんあります

北京ではNHKの番組作成のために
中関村という中国のシリコン・バレーに
中国科学院の計算技術研究所を訪れました。
中国のスーパーコンピュータの開発はアメリカや日本に比べて
かなり遅れをとりましたが、
ここへ来て部品に至るまで漸く自前で開発できるところまで
漕ぎつけたことについて李國杰所長さんから説明を受けました。
パソコンの方は台湾からの投資が急速に進み、
既にアメリカのメーカーへのパーツ供給も
はじまっていますが、
もともとコンピュータは
中国人や印度人向きの仕事ですから、
追いつくとなったら、あとは早いと思います。
人口の大きさが
市場の大きさを決定する商品のことですから。

あとはもう1度、北京大学の生物城にバイオの大家である
潘愛華教授を訪れて、
なぜIT産業のつぎはバイオの時代になるのかについて、
その意見をきかせてもらいました。
バイオでつくられたものが産業界の主流になり、
それによって社会の必要が充たされるようになる、
その時期が2020年で、
中国は多分、その先端を切るだろうというのが
中国バイオ業界の一致した見方のようです。
もしそうなれば
工業化による食糧不足も一挙に解決できるでしょうから、
マルサスの理論もマルクスの理論も
一大修正を要求されることになるでしょう。

北京で私が面白いと思うのは
漢方薬とマッサージと針灸の技術がすぐれていることです。
同仁堂という漢方薬屋が
中国を代表する一番大きな薬材店ですが、
四川省に行っても雲南省に行っても、
漢方は歴史があるだけに多くの利用者があります。
愈消散のような糖尿病のクスリも、
天仙液のようなガンの特効薬も、
日本では規則の対象になっていますが、
アメリカでは真剣に研究の対象になっています。
針灸やマッサージに至っては
日本の遠く及ぶところではありません。
身体の調子を整えるために
わざわざ北京まで行ってもいいくらいですから、
老齢化のすすむ日本で取り入れることのできる
仕事のヒントはたくさんあると思います。


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2002年4月21日(日)

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