第778回
南京ダックは北京ダックよりおいしい

北京にいた間に考えたことを
つい長々と書いてしまいました。
いつも思うことですが、日本にいて町を歩いたり、
人と会って考える事よりも、
中国の町を歩いたり、人と会って考えることの方が
ずっと実際的で、事業としても実現性があります。
物のありあまる社会より
物がまだまだ不足している社会の方が
空間を埋めるのが容易だということかも知れません。

たとえば、北京で久しぶりに行った
九花山というレストランの北京ダックは
全聚徳や便宜坊の北京ダックよりよくできていますが、
あとの料理はよく研究されているとは言えません。
言われた通りにやればいいのだというのが
国有企業に共通した欠点ですが、
それでも指令塔のお膝元と商業的センスで群を抜いている
上海やその付近とではうんとひらきがあります。
料理1つ比べても、南の方が北より良いし、
また長足の進歩を遂げています。

北京で2泊して
朝8時35分の早い飛行機で南京に向いました。
韓国で中国航空の飛行機が事故を起した翌日ですが、
旅行好きな人は
そんなニュースで旅行を思いとどまることはありません。
道を歩いていても不注意な人と運の悪い人は
事故にあって死ぬこともあるのですから。

南京では孔子廟界隈の古い街と
孫文のお墓のある中山陵を訪れ、
昼食は江蘇酒家という
100年の歴史のある南京料理屋でとりました。
店内のインテリアもすっかり草臥れていて、
テーブルの上のコップやお皿も欠けたものがまざっており、
30年前、台湾に帰った時の
台湾の料理屋のことを思い出しましたが、
前菜を箸でつまんで口に入れたところ、
意外に口当たりがよく、これなら大丈夫だと安心しました。
南京から揚州、無錫蘇州を通って上海までは
美食街道なんです。
南京は南京ダックだけでなく、
次々と出される料理のすべてが舌に馴染むところが
北京と違います。
文化も経済も政治も北から南へではなく、
南から北に攻め上がる時代になったのです。


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2002年4月27日(土)

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