第782回
黄浦江から見る夜の上海は別世界です

今度の視察旅行で一番最後に訪れたのは
上海浦東にある外高橋保税区にある
日立建機の販売会社でした。
日立建機のパワーショベルの製造工場は
たまたま私がお世話をして
安微省の合肥市というところに建設し、
生産を開始してから既に5年たちました。
最初の頃は中国の事情がよくわからず、
色々と試行錯誤のくりかえしでしたが、
昨今は漸く軌道に乗り、
昨年は国内1800台、輸出が200台を越え、
フル生産で在庫が1台もないという好調が続いています。
昨2001年度にはじめて2割の配当ができるようになり、
恐らく進出した外国企業で
上海上場のトップを切るのではないかと期待されています。

外高橋にあるその販売会社は合肥でできた建設機械を
中国国内及び海外に販売するための会社で、
100人あまりの従業員が働いています。
外高橋という保税区は
ここに持ち込んだ製品や素材はすべて無税で、
保税区から国内に動かす時に税金がかかります。
日立建機のように、機械の消耗が激しく
絶えずパーツの補給をしなければならない業界では
保税区内に大きな倉庫を持って、
いつでもパーツの補給をする必要があるのです。

昨年は輸出もあわせて
2200台あまりを生産販売しましたが、
ことしは2800台、2005年には5000台を目指しています。
こうした強気の背景には中国の経済成長に伴う
公共投資の増大が見込まれているからですが、
日本経済の落ち込み方に比べると、
天と地ほどの違いがあります。
総経理の平岡明彦さんは話の上手な人で、
日本で働いているのと上海で働いているのと
こんなに違うものかと思うほど元気一杯でした。

そのあと、夜になると私はNHKテレビの撮影のため、
雨のふるなかを黄浦江の遊覧船に乗って
上海の夜景を河の中から眺めました。
10年前、和平飯店から一足外に出ると真っ暗で
手さぐりで歩いた記憶がありますが、
どちらを向いてもイルミネーションで輝いている
上海の夜景は別世界に連れて来られたというより
ほかありませんでした。


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2002年5月1日(水)

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