第784回
武夷山まで中国茶を飲みに行きました

上海で日本に帰るみんなと別れてから、
同じ日に私は秘書を連れて、
福建省の武夷山というところに飛びました。
武夷山は有名なお茶どころであると同時に、
風光明媚な観光地として知られています。
朱熹が弟子たちに儒学の講義をしたところでもあり、
その記念館も残されています。

中国を代表する茶の産地として
かねてから一度は訪ねてみたいと思っていましたが、
なかなかその機会に恵まれませんでした。
武夷山の山の上にある4本の茶の古木から採れる茶の葉は
10匁で15万人民元もするとはやされているし、
私が40何年前に執筆した「食は広州に在り」の中でも、
人の登れない岩山の上の茶の葉を採取するために
猿の群を岩山の上まで追い上げ、
猿を怒らせると猿が茶の枝をちぎって人間に投げかけて、
それを拾って最高級のお茶をつくったといった逸話を
記述したことがあります。
そんな逸話のある茶どころが武夷山なのです。

茶の名産地でもあるけれど、
武夷山は連山の中を九曲渓という川が流れ、
竹の筏にお客を乗せて
九曲りの川下りをやるのが売り物になっています。
いずれ俗悪な観光地の催し物だろうと
タカをくくっていましたが、
実際に乗ってみて、眺めの見事なのに
すっかり感心しました。
郭沫若はこの土地を訪れて、
「武夷山は桂林より素晴らしい」と発言して
桂林の人たちから抗議を申し込まれ、
とうとう副総理をしていた谷牧が現地まで確かめに行って、
「どちらも中国の名所だから、
 そんなことで言い争うことはありませんね」
となかに割って入ってやっとケリがついたそうです。

町の中はどこも茶の葉を売る店が並んでおり、
茶の葉を買う前に試飲させてくれます。
私たちは政府の経営する茶葉研究所で小紅袍、
鉄羅漢、大紅袍の3種類を試飲をし、
小紅袍と大紅袍をお土産に買いましたが、
お茶の値段というのは中国の物価水準から見て
うんと高い物ですね。
ちょっと買っただけで千元は軽く越えてしまうんですから。


←前回記事へ

2002年5月3日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ