第790回
資本不足のままスタートするのが創業です

仕事をはじめたいと思っている人が真っ先にぶつかる問題は
元手にするお金がないことです。
元手がなければ仕事がはじまらないことは
誰でも知っています。

でも本当は元手が一番の問題ではありません。
どんな仕事を選ぶかが先ず第一です。
次にそれをこなして行けるだけの
能力と熱意があるかどうかがその次です。
いまは産業界の変革期です。
いままで立派にやってきた企業が
大小を問わずピンチに見舞われています。
次の時代にちゃんと生き残れるような事業でなければ、
新しくはじめるだけの意味合いはありません。
自分の職場で覚えたことがそのまま活用できることは
ほとんどありません。
スシ屋やソバ屋だって
ノレン分けでできる仕事でなくなりましたから、
一ひねりも二ひねりする必要があります。

学校を出て就職した先が
たまたま時代の先端を行くIT産業で、
自分が職場にいて発見したことが
企業化に値する有望な事業である場合、
仮に自分が十分な資本を持ち合わせていないとしても、
それが本当に見込みがあれば、
お金はしぜんに集まってくるものです。
そういう事業にお金を投じたいという
ベンチャー・キャピタルはいくらでもあるのですから。

ですから元手不足を嘆くことはありません。
本当は自分の思いついた事業が
実は開発に値しない性質の内容であったり、
自分に事業家として能力がないのに、
それを棚にあげて資本のないせいにする人が
わんさといるのです。
その証拠に創業者として成功した人で、
豊富な資本に恵まれて、
金ぐりの心配なしですんだ人など1人もおりません。
苦境から出発して、お金を払ってもらえなかったり、
銀行にいじめられたり、茨の道を乗りこえてはじめて
世間から認められるようになるものなのです。
そういう人が事業のピンチを資本の不足のせいにするのを
きいたことはありません。
なぜならば資本の不足するところからはじまるのが
創業だからです。
うまく行かない理由をお金のせいにすると、
人から笑われます。


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2002年5月9日(木)

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