第795回
工業的過剰生産は人類史上はじめてです

強気と弱気はいつの時代にもありますが、
今日ほど強気と弱気がはっきり分かれている時代は
滅多にありません。
9・11事件以降、
アメリカの株価は大きく落ち込みましたが、
日本よりは勇猛果敢な対応が行われたせいもあって、
かなり急速な立ち直りを見せました。
1月から3月はGDPの成長もいい数字になっているので、
希望的な観測も手伝って、
アメリカでは景気は既に底を打って
恢復に向かっているという発表がされています。

しかし、それを裏切る現象もたくさんあります。
ずっと堅調を続けてきたドルが売られると、
ダウはあえなく1万ドルを割りました。
証券アナリストたちが
自分らの利益のために誤ったアドバイスをしたといって
訴訟を起す動きも出ています。
「株のことは株屋にきくな」
というのが株をはじめて以来の私の鉄則ですから、
証券アナリストのアドバイスをきく方が
どうかしていると私は思っています。
その証券アナリストの間でも、
アメリカ株の将来について
強弱観が大きく2つに分かれています。

私が2、3年前からずっと弱気で、
10年続いたアメリカの好景気もそろそろ一巡して
整理の時期が来ていると見ています。
テロ事件はそのきっかけになっただけのことで、
仮にテロがなかったとしても、
同じことが起ったに違いありません。
今後、株価は小さく上げて大きく下げる傾向が
当然続くことでしょう。
景気も天気と同じようにいつも晴天が続くものではなく、
小雨になったり、どしゃぶりになったりするものです。

その兆候は既に10年前に、
日本でバブルがはじけた時からはじまっています。
日本の工業化はアメリカより遅くスタートしましたが、
アメリカを追い越して工業がGDPの中で
1番大きなパーセンテージの国になってしまいました。
その日本で工業製品の過剰生産が真っ先に起ったとしても
決して不思議なことではありません。
工業化によって起ったオーバープロダクションは
人類の歴史がはじまって以来のことです。
その対応で四苦八苦するのはまだこれからです。


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2002年5月14日(火)

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