第797回
デフレの風が中国から吹いてきます

世界中がデフレになる可能性は強いと見ています。
日本中でバブルがはじけて、
株や不動産の値下がりがはじまり、
やがてそれが物価にまで浸透して行った過程を見れば
わかります。

株や不動産が値下がりすると、
みんなの財産が減りますから、人々は倹約を強いられます。
銀行からお金を借りて株や不動産に投資した人は
返済できなくなりますから、不良債権が発生します。
返済できなくなった企業は倒産するか、
倒産に瀕してしまいますから、
その波をまともにかぶった銀行まで危うくなります。
すると、どこの企業でも
リストラをやらざるを得なくなりますから、
失業がふえるしお金を使わなくなりますから、
めぐりめぐって物を買わなくなります。

物が売れなくなったら、物価は下がります。
値段が下がって損をするようになったら、
メーカーは物をつくらなくなってしまいます。
物の供給が減れば、
やがて物の供給が不足するようになります。
すると、物価が上がりはじめますから
生産も恢復して景気が戻りはじめる・・・・というのが
少し前までのパターンでした。

ところが、儲けがゼロになっても、
もっとコストの安い外国でつくるか、
コストの安い外国から輸入すれば、
商売としてちゃんと成り立つ時代になったのです。
その代わりいままでお金の儲かったメーカーは
すっかり付加価値の出どころがなくなり、
儲けは外国でつくるメーカーと
外国製品を扱う業者の手に移ってしまいます。
値段が下がったままでも
消費者は欲しい物が手に入りますから、
物価がもとに戻ることも、国内の景気が戻ることも
難しくなってしまったのです。

これで景気が戻ることを期待できるでしょうか。
デフレの風は絶え間なく海の向うから吹いてくるのです。
それを食いとめることができないとすれば、
デフレの風に吹かれても
生きて行ける方法を考えるべきではないでしょうか。

私はこれが新しい時代の貿易風だと見ています。


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2002年5月16日(木)

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