第798回
中国にマイカー時代が来ています

大不況の中で自動車メーカーだけが
万丈の気を吐いていることにふれました。
なかでもトヨタとホンダだけが有史以来の好業績をあげ、
返り咲いた日産がそのあとを追っていますが、
アメリカのビッグ・スリーはテロのあと、
業績を挽回するために
自動車ローンを無利息にして営業活動をしたために、
特価販売中、空前の売上げを達成しました。
しかし、結果としては将来の需要を先食いすることになり、
第一四半期に5.8%の成長率が発表された途端に、
ドル安がはじまり、
株式市場があえなくダウ1万ドルを割ってしまいました。

この1,2ヶ月の間にドルが円に対してもユーロに対しても
安値をくりかえすようなら、
アメリカの不況が本格化する可能性がありますから、
投資家たちにとっては要注意のシーズンです。
従って業績の悪い自動車メーカーだけでなく、
我が世の春と謳歌しているメーカーにも
暗い翳が射すことも考えられます。

しかし、長期的に見ると、自動車メーカーの全盛時代は
IT関係メーカーより長く続くと見てよいでしょう。
なぜならば、中国の経済発展がこのまま順調に推移すると、
中国にマイカー・ブームが捲き起るからです。
かつて昭和40年代の日本がそうであったように
いま中国ではふつうのサラリーマンにとって
マイカーはまだまだ高値の花です。
一台の自動車を買うのに、
100ヶ月分のサラリーを注ぎ込んでも足りないでしょう。
しかし、何が何でもマイカーが欲しいと
若者たちが考える時代は既にはじまっているのです。

WTOの加盟で自動車の輸入税のカット・ダウンが
動き出しました。
トヨタをはじめ、外国の有名メーカーが
中国大陸進出に乗り出しています。
メーカー同士の物凄い競争がはじまりますから
一台30万元以上の大衆車が10万元(一元15円)になる日は
そんなに遠い先のことではないでしょう。
一社が年産100万台ペースに乗る時代が来ることも
各メーカーの生産スケジュールが示している通りです。
中国にマイカー時代が来ているのです。


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2002年5月17日(金)

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