第801回
自動車ブームならトンネル株と橋梁株

私が日本の自動車メーカーに目をつけたのは
まだ自動車メーカーのスケールも小さく、
労働組合がストをくりかえしていた頃のことでした。
紡績業が日本を代表する産業で、
自動車メーカーなど不良少年が親に対してストを起す
まとまりの悪い家庭くらいにしか思われていませんでした。

しかし、「お金がなくても何が何でも自動車は欲しいんだ」
というムードに支えられている限り、
自動車の時代は必ず来ると考えるよりほかありません。
ただ私の周囲の専門家たちのなかには
自動車ブームの到来を疑問視する意見も多く、
なかでも日本の道路事情が悪いことを
その理由にあげている人がたくさんいました。

それに対して、私は
「道が悪いのは自動車を通す必要がなかったからだ。
 自動車がふえれば、
 自動車の洪水がしぜんに道を拡げるようになる」
だから、自動車がふえれば
道路をつくる仕事が日本の最大の成長産業になると
確信するようになりました。

その当時は建設株の中でも道路株は
日本舗道その他2、3社しかなく、株価も割高で、
クロウトのおもちゃにされているという評判でした。
地図を拡げて見るまでもなく、
日本は南北に長く山あり川ありの変化の多い地形です。
こうしたところに道をつくろうと思えば、
山にぶつかればトンネルを掘らなければならないし、
川にさしかかったら橋をかける必要が起ります。
トンネルをつくる会社も橋をかける会社も
まだ誰も注目していませんでしたが、
私はこういう会社の株を買えば、
いまに業績が激増して株価が倍々ゲームをやるだろうと
考えるようになりました。

トンネル工事の専門の会社として、
当時、富山に本社があって、
まだ世間に全く知られていなかった佐藤工業と、
数ある橋梁会社の中から宮地鉄工所を選んで
週刊誌で推奨をしました。
兜町は私が持ち込んだ成長株投資を
受け容れる姿勢に変わっていたので、
これらの株はたちまちストップ高を演じ、
私もそのご利益に浴することができました。


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2002年5月20日(月)

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