第851回
ドル安と株安は世界のトレンドです

アメリカの1人勝ちみたいな年月が十年も続いたので、
よその国の人たちは悔しくもあり、
嫉妬に似た気持ちも抱いています。
でもいざアメリカが寝込んでしまいそうだ
ということになると、
大へんだという気持ちになるのも偽らざるところです。

アメリカが落ち込めば、世界中がその影響を受けます。
日本のようにアメリカへの輸出によって
一息も二息もつている国ではドルが下がれば、
円はもっと下げても不思議ではないと考える人は
少なくはないでしょう。
それが逆に円が上がるのですから、
問題は一段と複雑になります。

世界中からアメリカに集まった資金は
ドルは危ないと感ずるようになると、
アメリカから逃げ出す姿勢になります。
ドルを売ってユーロにかわる動きもあれば、
円やその他のアジアの通貨に
かわろうとすることも考えられます。
しかし、無利息に近い円にかわっても
お金を生むとは考えにくいし、
円で日本の株を買っても輸出も困難だし、
国内景気もパッとしませんから、
はたして成果が上がるかどうか。
それでも資金が大量に流入すれば、
資産インフレの再来がないと言いきることはできません。
世界中に過去の経験では量ることのできない
混乱が起ることだけは確かです。

でも円高になると言っても、
一瀉千里に円高になることはあまり考えられません。
たとえば、1ドルが120円をこえるとしても、
行っては帰るくりかえしが起りますから、
当分は120円で一息つくことが考えられます。
アメリカの経済がおかしくなると言っても
一ペンに駄目になるわけではありませんし、
連邦準備委員会だって
指をくわえて見ているわけではありませんから、
急激なドル安や円高は起らないと考えるべきでしょう。

ただその時々のトレンドがありますから、
傾向としてアメリカ株が
小さく上がって大きく下げることと、
円安よりはむしろドル安に向かう波の方が
優勢だと考えるべき理由があるということです。


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2002年7月9日(火)

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