第852回
アメリカも日本の後塵を拝するのでは?

ドル安になったら、
ユーロも円もドルに対して高くなります。
高くなった分だけお金の値打ちが出ることになりますが、
そう手放しで喜ぶわけにも行きません。
経済がよくなって
お金の値打ちが出て来たのならいいのですが、
ドルの購買力が失われてお金の値打ちが出てきたのでは、
ますます物が売れなくなってしまうからです。

その証拠にヨーロッパでも日本でも
株式市場は軒並み新安値をつけています。
アメリカがドル安・株安になっているのに対して、
ヨーロッパも日本も、
ユーロ高・円高になったのと反比例して
株安になってしまっています。
自国通貨の値上がりは
不景気の到来を意味しているのです。

1929年のニューヨーク株の大暴落をきっかけに
世界大恐慌が起りました。
その時は農産物の大暴落を防ぐために、
麦を焼いて捨てるとか、
子豚を何百万頭も殺してしまうという対策がとられました。
またアメリカでは
4人に1人が失業するという首切りが行われました。
その時に比べると、
社会福祉制度もかなり整うようになったし、
貨幣や銀行に対する
政府の弾力的な対応もできるようになりましたから、
そんなに見っともないところまでおちこむことには
ならないと思います。

でも大恐慌の原因が
農業上の豊作貧乏から今世紀は工業的豊作貧乏に
移ってしまいましたから、
自由競争が続く限り、企業間の潰し合いが続き、
解決までにかなりの歳月を要することになります。
「いつ底をついて戻り足になるのですか」ときかれても、
一向に答えのでない不景気が長く続きそうなのです。

とりわけアメリカが不況におちいるとなると、
世界中から吹いてくるデフレの風が
とまらなくなってしまいますから、
日本で起ったような物の売れない状態が
かなリ長く続くことになるでしょう。
「内需の拡大に力を入れるように」と言って
アメリカの政府が尻を叩かれることになったら、
日本の無策ぶりを笑ってもおられなくなりますね。


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2002年7月10日(水)

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