第884回
倒産する企業の勢いもとまりません

私の親しくしている人の経営していた
ディスカウントストアが倒産してしまいました。
私の不在中の出来事で、
本人からの電話ではじめて知ったのですが、
どんなに真面目で、どんなよく働く人でも
世の荒波には勝てないんですね。

マイカルも駄目になったし、
ダイクマも身売りをさせられたし、
ダイエーでもDSが大きく足を引っ張りました。
デフレ時代はいままで安売りとは縁のなかったお店でも
安売りをしますから、
安売り専門店でも安売り競争に負けてしまうのです。
安売りというだけで
消費者の心をつかむことはできないことがわかります。

ではどうやったら
消費者の心をつかまえることができるかというと、
消費者が欲しがっている物を売っているということですね。
よくデパートにはたくさん品揃えがしてあるけれど、
私の欲しい物が売っていないと駄々をこねる人がいますが、
欲しい物がなければ
何も売っていないのと同じことになります。
ですから、安いことも大切ですが、
消費者が何を欲しがっているのか、
消費者の心理の研究がもっと大切です。

しかし、それ以上に重要なことは
人々が物を買うことよりも、
物を買わない方を選択するようになったことでしょう。
消費者が不必要な物は買わないと心を戒めるようになれば、
物は売れなくなります。
値段が安くなった上に、物が売れなくなれば、
営業額は減りますから金ぐりができなくなります。
企業は必死になって支払いを延ばしたり、
手形の書き換えをたのんだりしますが、
万策尽きてもうこれ以上のやりくりができなくなると
遂にお手上げということになってしまうのです。

これはいまの産業界の底を流れている
大きな傾向の1つです。
この傾向をとめることは
どの政治家にもどのお役人さんにもできません。
ですから、収入が減るのをとめるか、
支出がそれ以下に抑えられるかしない限り、
倒産は免れられません。
グローバル化が続く限り、倒産の動きもとまらないのです。


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2002年8月11日(日)

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