第885回
産業地図が新しく塗りかわります

グローバル化は続く限り、倒産がとめられないのなら、
いっそグローバル化をやめえしまえばいいじゃないか
という考え方もあります。
中国から安価な工業製品が入ってくることに対して
敵意を持っている人も多いし、
そういう論調を展開している新聞雑誌も
たくさんあります。

確かに日本国内でつくるより安い値段でつくられる
外国製品の輸入を禁止してしまえば、
国内のメーカーは助かります。
しかし、そういうことができれば、
アメリカも世界中のほかの国々も
日本製の自動車の輸入を禁ずることができますから、
日本の自動車産業は
いまのスケールを維持することができなくなるし、
日本人を豊かにしてきた日本の産業界も
成り立たなくなりますから、
国境の壁を高くするよりも、
死ぬか生きるかの競争の中で
何とかして生き残る道を考える方が
実際的だと言うことになります。

世界中の企業がもっとよい生産基地を求めて
血眼になって動きまわるのも、
またメーカーをやめてディーラーに転業したり、
全く別の選択をしたりするのも、
生き残りのための必死の努力と言ってよいでしょう。
鎖国をしたら外国の影響を受けないで国を守って行けたのは
自給自足が可能だった昔のことで、
いまでは資源的に自給自足が可能なアメリカでも、
生活用品のすべてを自給自足ですますことは
できないでしょう。

それどころか、アメリカが率先して
グローバル化の旗をふっているのですから、
戦争でも起って国境を閉鎖しない限り、
飛行機がとんでくるのを拒むこともできないし、
物や金が出たり入ったりするのを
ストップすることもできないでしょう。
従ってグローバル化を阻止できない以上、
グローバル化がもたらす産業構造の変化や
産業地図の塗りかえに順応するよりほかありません。
それのできない企業や人は姿を消すことになりますが、
それと入れかわりに
新しい産業地図が誕生することになります。


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2002年8月12日(月)

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