第923回
土地に一極集中の時代もありました。

昭和三十年代、高度成長がはじまった頃も
財産三分法を蓄財の原理原則として
引き合いに出す人がたくさんいました。
しかし、高度成長期に入った日本では、
この法則はそのままでは通用しないのではないかと考えて、
土地への一極集中を主張しました。

というのは高度成長期に入ると、
インフレが経済界の主流になり、
その流れに乗って土地や不動産が一番値上がりをし、
株は上がったり下がったりで、現金はそれに反比例して
目減りの一途を辿るようになったからです。
もし持っているお金を三つに分けて分散すると、
折角、土地の値上がりで財産がふえても
現金の目減りがその足を引っ張ってしまうからです。

成長期に入ると株価平均は上昇の一途を辿りましたが、
中身を仔細にチェックして見ると、
ダウが上がっても倒産したり、値下がりをする
斜陽産業もあります。
だから、株で持っているよりも土地に一極集中した方が
財産はウンと値上がりします。

もっと論理的に詰めて行きますと、土地は値上がりするのに、
現金は物価と不動産の値上がりに反比例して目減りしますから、
借金をして土地を手に入れた人が一番トクをします。
借金は目減りして土地は値上がりするのですから、
現金の目減りする分は銀行に預金する人に
引き受けてもらえばいいのです。

そう考えて私は「借金のすすめ」や「借金学入門」
と言った文章を書き、自分も分相応に借金しましたが、
それを徹底的に実行に移したわけではありません。
私のアイデアにヒントを得て、サラリーマンなのに
銀行からお金を借りるだけ借りて、
マンションを100室以上も買った豪の者もいました。
でもそういう人は一時は億万長者の気分を味わいましたが、
その夢を長く持たせることができませんでした。
成長経済が低成長に変わり、土地に支払われる付加価値が
尻つぼみになると、地価が下落をはじめたからです。
借金を整理しきれなかった人は自分が沈没することに
なってしまったのです。


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2002年9月19日(木)

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