第1003回
行く先を間違えないことが大切です

一口に発展途上国と言っても、
中近東もあれば、アフリカもあり、
また中南米もその中に数えられます。
アメリカに隣接するメキシコを除けば、
中南米は通貨の危機ばかり報ぜられて、
工業化がどの程度進んでいるのか全く知らされていません。

インドのIT産業は
かなりのスピードで開発されているとききますが、
アフリカは農業すら未開発で、
栄養不良のために死にかかっている
幼児の救済の声ばかり耳に入ってきます。
こういうところでどうやって産業を興すかは
まだずっと先のことで、
農業関係のボランティア以外に、
青年たちが情熱を傾けて働く舞台はあまりないでしょう。

もちろん、多くの人が先を争って出かけて行くところだけが
最も有望な働き場所であるとは限りません。
あまり人の行きたがらない所を目指せば、
稀少価値がありますし、重宝がられます。
たとえば中国語ならたくさんの人が話せますが、
ベトナム語やビルマ語やパプア語なら
そんなにたくさんは話せないでしょう。
そういう地域に用のある人から見たら、
なくてはならない存在ですから、
メシが食えなくなる心配はありません。

しかし、そういう地域に用のある人は
現地の資源を開発したり、
その仕入れに来た人たちですから、
やれる仕事はごく限られてしまいます。
24才の時に台湾から香港に亡命した私は
もう二度と故郷に帰れないと思ったので、
ボルネオか、セレベスに行くことを
眞剣になって考えたことがあります。
もしそれを実行していたとしたら、
日本語ができますから、
材木や鉱物資源の仕入れに来た
日本商社の人たちの手先くらいはつとまったでしょう。
でも現地採用の雇員になっても先は知れていますから、
少々お金がたまったら、
中国料理屋のオヤジくらいにはなっていたでしょう。
工業が発展しない発展途上国に行って
やれることと言えばそんなところですから、
海外に行って働くと言っても、
行く先を間違えると
お金とあまり縁のないことになってしまいます。


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2002年12月8日(日)

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