第1011回
香港経由は時間とお金の浪費です

台湾と中国の間で政治的な話し合いがなかなかつかないうちに
10年の歳月があッという間にすぎてしまいました。
しかし、台湾の企業の進出に門戸がひらかれたので、
中国大陸でやれそうな事業は次々と大陸に移り、
中国じゅうどこの地方都市に行っても
台湾企業の看板の目立たないところがないようになりました。

台湾料理屋や花嫁衣粧の店からはじまって
百貨店やカラオケまで、
台湾から進出していることを
客寄せの宣伝文句に使っています。
ちょうどカリフォルニアから帰ってきた
華僑の店であるということだけで
中華ソバの宣伝になっているのと大同小異です。
政府間ではいがみあう材料には事欠かないようですが、
民間ではそんな摩擦はほとんど見られないようです。

それが生産事業になると、
台湾に一日の長があることが広く認められておりますし、
工場は何百人、何千人という若い人たちに
就職のチャンスをあたえるので、
地元の人はもとより奥地から出稼ぎに来る人たちにも
広く受け容れられています。
企業のトップに立つ総経理や幹部や技術者は
台湾から派遣されてきた人たちですが、
台湾の給料プラスアルファと、お金のかかる人たちです。
当然のことながらほんの一握りしかおりません。

これらの人々は家族連れで来ている人もありますが、
単身赴任の人もおります。
本社と連絡もしなければならない用事もありますし、
里帰りもしなければなりません。
従って、台湾→香港→中国の飛行機の座席はいつも一杯です。
1年に200万人の人がこのルートを往復していますが、
直行便がなく香港で乗り換えをしなければなりません。
もし直通なら台北、上海は1時間で着いてしまいます。
それが香港経由だと乗り換えの時間も加えると
5時間になってしまいます。
時間を無駄にするだけでなく、運賃の無駄でもあり、
その差だけでも年に200億台元(1元は3.5円)にのぼると
計算されています。
みんな政治のせいだと台湾と大陸間を往復している人たちは
ボヤいています。


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2002年12月16日(月)

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