第1012回
上海台北直通便が実現しそうです

私は1年に12回ほど香港経由で台北から大陸に入るか、
逆に大陸から台北に行きます。
私の場合は香港に自分の家があるので、
それほど無駄をしている感覚はありませんが、
香港に寄る必要のない人たちは、
台北⇔上海・台北⇔北京、台北⇔廈門と言った
直通便があったらどんなに助かるだろうかと
思っているに違いありません。

ですから「1日も早く3通を実現して下さい」
と私も陳水扁さんに直言したことがあります。
頭の中ではわかっていても、
いざとなると政治的配慮が先行して
1日また1日と繰りのべになっています。
でも最近になって、中国側が政治問題は一応、棚上げにして、
3通を民間ベースで実行に移そうじゃないかと
新しい提案をしてきました。

生産基地の大半を大陸に移した台湾の産業界は
3通には熱心ですから、すぐに反応しました。
その意をくんで在野党に転落した国民党の議員さんたちが
交渉団を組んで北京に向いましたから、
来年の旧正月の里帰りシーズンには
チャーター機による直通便の第1便が
上海、台北間をとぶ可能性が濃厚になってきました。
今回は中国の飛行機は乗り入れず、
台湾の民間機だけで実験的にやって見たら、
と中国側が譲歩しましたから、
台湾側も一方的に拒否できないところまで追い込まれています。

面と向って反対する理由に事欠いて、
直通の場合でも香港におりなくとも
香港の上空を通過して台北入りをせよと
台湾側が主張して台湾中の失笑を買いました。
しかし、台湾の産業界の全面的な支持もあり、
旧暦の正月を前にもし直通便が実現したら、
「アジアの時代」の幕明けは
いよいよ柏子木の鳴る瞬間に近づくことになります。
もちろん、これで台湾問題が片づくわけではありません。
大陸が台湾の政治的立場を認めて、
その国際的な活躍の空間を邪魔するあからさまな心の狭さを
改めるようでなければ、本当の統一には至らないでしょう。
でも年が明ければ、
その第一歩が踏み出されたかどうかがわかります。


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2002年12月17日(火)

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