第1047回
眞っ青になっている人は2割だけです

目明き1000人というけれど、
未来が見える人は20%で、
全て見えていない人が80%というのが
眞相に近いかも知れません。
私は資本も資源もない日本の国が工業化によって
世界の富裕国の仲間入りすることも予想したし、
中国の抬頭によって日本から付加価値が失われ、
生産基地が日本から中国に移ることも予想しましたが、
バブルの崩壊から完全に逃げ切っているとは言えませんから、
未来の見える20%の仲間に入れてもらえるかどうか、
あやしいものです。

昔、縁切り寺に駆け込もうとして
追手に追いつかれて危うく
つかまりそうになった女の人が
穿いていた雪駄を投げてそれが山門に届いたが、
それで逃げ込みに成功したことになるのか、
それとも離婚は無効なのか、と大学の民法の時間に
穂積重遠先生の名講義をきいたことがありますが、
假りに目明きの20%の仲間に入れてもらえたとしても、
雪駄だけが辛うじて山門に届いたところではないでしょうか。

私はいま世界中に起っている経済のグローバル化と
グローバル化による生産基地の再配置は
かつて人類歴史に類を見なかった
新しい現象だと思っています。
日本国内で物づくりをしても付加価値がなくなってしまえば、
日本の生産基地としての適性は
完全に失われてしまいます。
一ぺん失ったものはどんなに努力しても
元へ戻すことができませんから、
日本の産業体制は総崩れになるよりほかありません。

政府がどんなに知恵者を集めても、
景気を元へ戻すことができませんし、
またデフレを止めることもできません。
社会全体に構造的な変化が起っているのですから、
企業の8割方はまともにその影響を受けて倒産したり、
廃業転業を余儀されます。
ところが、8割の人が自分たちのおかれたピンチに気づかないで
のんべんだらりと生活しており、
気のついたあとの2割だけが眞っ青になって、
工場を大陸に移動したり転業したりしているのです。
淘汰には少し時間がかかりますから、
昨日も今日も同じことが続いているように見えますが・・・。


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2003年1月21日(火)

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