第1048回
金持ちほどひどい目にあう時代です

デフレになると何が起るかご存知ですか。
物の値段が下がって商売をやっている人は
商売がやりにくくなりますが、
資産を持っている人は土地も下がるし、
株も下がって資産が減ってしまいます。
この10年だけで土地の値段が
一千兆円も下がったそうですから、
それだけみんなの財産が
消えてなくなったことになります。

なくなったと言っても、
土地の面積が縮んだわけでもないし、
株券の額面や株数が減ってしまったわけではありません。
家賃や配当がその分、減っただけなら、
物価も下がっているのですから、
少々節約さえすれば生活に支障をきたすことはありません。
カネカネカネとカネの後ばかり追っかけていた頃よりは
堅実で地についた生活ができて、
やっと人間らしい生活に戻れたと喜んでいる人もいます。

でも世の中にはお金の貸借ということがあります。
商売に貸借はつきものだし、
大きな事業をやっている人や
資産をたくさん持っている人ほど借金をたくさん抱いています。
経済の成長期は年々物価が上昇する時期でもありましたから、
お金を借りて事業をやる方が
自己資金だけでやるより何倍も利益があがりました。
土地を買うにしても銀行からお金を借りても、
地価の値上がりで金利をカバーしてあまりがありましたから、
お金持ちの人ほど借金をたくさんしております。

インフレが逆転してデフレになると、
地価も株価も下がりますから、金利の出所がなくなるし、
資産が目減りしますから、
借入金より担保に入れていた資産のほうが
小さくなってしまいます。
デフレは商売を左前にし、会社を倒産させるので、
貧乏人は失業しますが、金持ちは倒産に追い込まれます。
金のある人ほど借金が多いので、
(実はそのおかげで金持ちにのしあがったのですが)
今度はそれが仇になって「転落の詩集」を書くことになるのです。
金持ちほどひどい目にあう時代ですから
銀行からお金を貸してもらえなかったことを
恨むことはもうありませんね。


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2003年1月22日(水)

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