第1072回
外食産業にも不景気の波が来襲

ご存知と思いますが、
昨年の8月にこれまで成長を続けてきた
チェーン・レストランが天井に頭をぶっつけてしまいました。
天井に頭をぶっつけるとは、
これ以上、店をふやしても売上げも利益もあがらない
飽和点に達してしまったということです。

新しくつくった店がうまく行ったとしても
いままでにつくった店の売上げが伸びなくなり、
なかには業績が悪化して赤字を出すようになります。
売上げはほぼ頭打ちになり、赤字の店がふえるので、
不採算の店は閉鎖するよりほかなくなり、
それが経費を圧迫してうっかりすると、
会社の業績が赤字に転落することも起り得ます。

それが一社や二社だけでなく、
食べ物のチェーン店に一せいに起るということは
成長産業と目されてきた業界が
ほぼオトナの骨格になったということで、
伸びが止まると株価の成長もとまって反落します。
ワタミとか、サイゼリアとか、
グローバル・ダイニングとかレインズとか、
ちょっと前まで投資家たちの
注目の的になっていた銘柄の値下がりは
一瀉千里の観があります。

なかでもチェーン・レストランの
フランチャイジーづくりで話題になったベンチャー・リンクは
好調な時は株価が1万円をこえていたこともありますが、
タリーズ・コーヒーとの交渉が
うまくいかなかったことをきっかけに年25億円の利益予想が
一転して10億円の赤字決算になることが発表されると、
2500円だった株価が300円台まで落ち込み、
会長さんの辞任というハプニングまで起ってしまいました。

チェーン・レストランに何が起っているかは
その世話をしてきたベンチャー・リンクの株価が象徴しています。
社用族相手の高級料亭やバー、クラブに代わって
サービス業のチャンピオン目指して
成長してきたチェーン・レストランも
淘汰再編成の時期に入ったのです。
成長の早かった分だけ移り変わりも早いですね。


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2003年2月15日(土)

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