第1100回
年寄りはますますケチになります

書画骨董などの美術品もかつては
老人マーケットの中の成長産業に数えられました。
年々所得がふえてあまり生活の心配がなかった時代は
展覧会をひらいてもお客が一杯きたし、
一枚何百万円、何千万円の絵でもとぶように売れました。
企業が赤字になったり、倒産するようになると、
かつて財産に数えられていた
これらの美術品が換金の対象になり、
値下がりする土地と同じように値下がりを続け、
ついに値があっても売買のない商品の一つに
数えられるようになってしまいました。

本当は年をとると、ケチになってお金を使わなくなりますが、
人間はいくつになってもお金儲けには関心がありますから、
お金儲けの話にはきき耳を立てます。
ですから儲け話を持ち込んで
老人の貯蓄を引っ張り出してお金儲けをさせる仕事は
老人マーケットのもっとも有望な仕事の一つです。
投資銀行や証券会社も年配のお客の方が
若い人より多いのですから、
老齢化社会の有利な事業がないわけではありません。

でも不況になって投資をしても
思うようにお金が儲からなくなると、
株でも不動産でも人気離散して人が寄りつかなくなります。
お客の大半を老人が占める投資産業でも
人気離散すれば、成長産業のはずが斜陽産業化してしまいます。
証券会社やベンチャー・キャピタルは
本当は銀行と違って投資家の代行や
投資信託の売買をしているわけですから、
仕事がふえてもおかしくないのに
産業界が八方塞がりになると、
デパートをひらいているのと
あまり変わりないことになってしまうのです。

サラリーだけで暮らしている人にとっては
好況も不況も大して変わりはありません。
でも、財産からの収入に依存度の高い中高年層は
不況になると大きな打撃を受けます。
日本人は千四百兆円あまりの金融資産を
持っていることになっていますが、
金利がゼロに近いところまで下げれば、
金利収入をあてにしていた人たちは
収入の道をとざされますから、
タダでさえケチなのがますますケチになってしまいます。
世の中、不況にならないわけがないのです。


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2003年3月15日(土)

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