第1106回
化粧品は安売りで勝負しません

おしゃれをしたい気持に男女の区別はありません。
所得の低い時は女性のおしゃればかりが目について、
男の化粧品はどこにも売っていませんが、
豊かになるとその差が縮まります。

中国を旅していた時、途中でヘアトニックと
リキッドがなくなってしまったことがあります。
成都、貴陽、長沙を歩いている間、
スーパーやデパートの化粧品売り場を覗きましたが、
カミソリやシェービング・ホームはあっても、
男の化粧品はほとんどありません。
仕方がないので、とうとう香港につくまでガマンしました。

所得があるレベルまで上がると、
先ず若い男性の化粧品に先ず火がついて
やがて中高年層にまで及びます。
男性専門の化粧品だけつくっても商売として成り立ちます。
男が一番気にするのは頭髪ですから、
ハゲに効くクスリを発見したらノーベル賞ものですが、
ノーベル賞にならなくても世界的な大富豪にはなれるでしょう。
ビル・ゲイツなんか目でありません。
まだそういう髪成金が現われていないのを見ると、
いま高く売られている発毛剤は
すべていい加減なものであることがわかります。

たとえ気休めにすぎなくとも、化粧品は売れます。
とりわけ男性化粧品は所得水準が上がると
商売になるようになりますから、
これまた老人マーケットの一分野と言ってよいでしょう。
ハゲるのはかくしようがないので、
カツラを潔しとしない人はすぐに観念します。
その点、白髪には染めてごまかすという方法が残っていますから、
白髪の人の方が思いっ切りの悪い人生を
送ることになります。

どちらも思いあきらめるまでに色々とお金をかけますから、
その方面のビジネスは手かえ品かえして
何とか成り立って行きます。
先進国ではファッション・ビジネスが行き詰まると
化粧品や香水に進出して一巻の終わりになります。
でも中国のような高度成長に入った発展途上国では
いままでなかった新しい需要が発生しますから、
先進国からそちらへ移ると成長産業になります。


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2003年3月21日(金)

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