第1111回
次の時代はこれまでと違います

次の時代はデフレとグローバル化の時代です。
デフレは工業化がもたらした豊作貧乏で、
人類がはじめて体験する豊かであるが故に
身にこたえる苦しみです。
当然のことながら豊かになった社会から
順番に味わうことになります。
日本が真っ先にデフレになったのも
日本が真っ先に工業化に成功したからで、
ヨーロッパでもドイツのような工業先進国が
景気の後退に悩んでいるのを見てもわかるとおりです。

景気は循環するものであろうという体験法則を
無意識に信奉する人たちは
一日も早く景気が底をついて元へ戻ることを望み、
また政府がそういう対策をとってくれることを期待しています。
政府もまたそういう「世紀の救世主」の出現を心待ちし、
人事の焦点をそこに搾っていますが、
工業は農業と違って気象天候の影響を受けないので、
豊作貧乏はこのまま定着してしまうでしょう。
過剰生産の整理は企業の倒産か、
企業の自制にたよるよりほかないので、
景気不景気のサイクルは乱調におちいり、
デフレは長期化すると見た方が正しいのです。

以前なら不景気になっても、
国内で景気が底を打てば、生産は元へ戻りました。
ところが、グローバル化の時代になると、
生産基地が国境をこえてコストの安い地域に動きますから、
更に安い製品が外国からドッと押し寄せてきます。
景気の底打ちを期待していたメーカーは
恢復するチャンスを失い、縮小、倒産、
廃転業を余儀なくされるので、業界の再編が起り、
産業界全体で賃下げが常識になってしまいます。

デフレとグローバル化はお互いに関連しており、
しかも避けて通ることができないので、
それを矯正することを考えるよりも、
それを與件と考えて、
その環境の下でうまく生き残って行くのが
次の時代を上手に生きて行く知恵だと思います。
どうかデフレとグローバル化の中をうまく生き残るために
うんと知恵をしぼって下さい。


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2003年3月26日(水)

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