第1158回
ウイルスとの戦争はもっと厄介です

昔から人類の生活を脅かすものに
戦争と疫病と飢饉があります。
飢饉は農業の生産性があがったのと、
交通が便利になって食糧の不足している所に
食糧の余っているところから
食糧を運搬することができるようになったのとで
問題がかなり解決されるようになりました。

戦争もまた一方的に武力に訴えるより、
話合いで平和的に問題を片づける努力をするようになったので、
何かというとすぐ拳をふりあげることは少くなました。
それでもパレスチナのように
万年、テロが絶えないところもあれば、
イラク戦争のように世界中の人が戦争の実況放送を
テレビで見る最新鋭技術を総動員した戦争もあります。

戦争は国と国との利害の衝突で、
話合いがつかない場合、
問答無用とばかりにおっぱじめるものですから、
無辜の民が必らず被害を蒙ります。
戦争の当時者に文句を言ってもはじまりませんから、
私なら先ず爆弾や砲弾の届かないところに
逃げることを考えます。
どっちが勝ってもえらい目にあわされるのは同じですから、
“三十六計逃げるに如かず”です。
ところが、バクダッドの人たちを見ていると、
爆弾が雨あられと降ってきても逃げようとしないのですね。
嘘か本当かわからないけれど、
バクダッドでは逃げ出すと即座に財産を没収されるから、
逃げるに逃げられなかったのだそうです。
となると、財産惜しさに生命をおとすのが
人間だということになります。
財産のために生命をおとす人もあれば、
愛国心のために生命をおとす人もある
というのも人間のさがですね。

それに比べると、疫病は貴賤を問わず、
人種を問わず、国境を越えて追いかけてきます。
ペストがハヤった時代もあれば、
インフルエンザで多くの人が死んだこともあります。
でも今回は疫病もグローバル化の時代ですから、
逃げるに逃げきれません。
ウイルスとの戦争の方がうんと厄介ですが、
どんな共同戦線が張られるか、
これからが腕の見せ所です。


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2003年5月12日(月)

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