第1174回
消費税の上昇に歯止めはききません

日本で3%の消費税を実施した時、
私はさまざまの媒体を通じて反対意見を述べました。
自分が消費税を払いたくないから反対したわけではなく、
一旦、消費税が定着したらブレーキが効かなくなって、
必らず3%が5%になり、5%が10%になって
恐らく世界でも消費税率が最高の国と
肩を並べるようになることが目に見えていたからです。

私個人で言えば、
毎月のように香港に行っていましたから、
買物は香港でやれば、
値段が安い上に消費税もかかりません。
しかし、今になって見ると、
香港政府も大赤字に悩むようになりましたから、
背に腹は変えられなくなって
いつ消費税を実施するか
わからないところまで来てしまいました。
台湾では5%、中国大陸では17%の消費税をとっています。
いずれも内税になっているのは
税金の痛みが消費者に
じかに届かないようにという配慮からです。
中国大陸でいきなり17%も消費税をとるようになったのは、
もともと共産中国には所得税がなく、
人々に納税の習慣がなかったので、
「税金は取りやすいところから取る」
という原則に従って、
間接税中心の租税体系を採用したからです。
いまは所得税もあるようになりましたが、
一般の人たちの所得水準が
免税点スレスレのところにありますので、
海外から中国へ派遣されてきた外国人が
所得税収入の最大の担い手になっています。

日本は戦後ずっと直接税中心の租税体系で貫いてきましたが、
もうこれ以上の増税は難しいという飽和点に
達してしまいましたので、
あとの財源は消費税以外に考えられない
というところまで追い詰められています。
ここでたとえ3%でも間接税地帯に
橋頭堡を確保することになったら、
あとは占領軍をふやすだけですから、
必ず3%が5%に、5%が10%にと
歯止めがきかなくなります。
現に景気が戻り足になったところで
5%を強行したらどんなことになったかは
まだ皆さんの記憶に新しいところです。
苦しまぎれにやることですが、
この次もまた同じことのくりかえしになることは
先ず避けられないでしょう。


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2003年5月28日(水)

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