第1195回
銀行もグローバル化しないと生き残れない

産業界が悪くなったと言っても
皆が皆、大赤字というわけではありません。
不況の中にあって好業績の会社もありますし、
リストラによって従業員の首を切ったり、
経費に大なたをふるったおかげで、
上場企業の利益は軒並み前期よりよくなっています。

でも景気はよくなっていないし、
設備投資をしないので、
大した資金需要はありません。
資金ぐりのよくなった会社は
新しくお金を借りるどころか、
お金を返えしにかかっています。
お金を借りたがっているのは
銀行がお金を貸したがらない
資金ぐりの悪い会社や中小企業ですから、
銀行にはお金があまってしまうという
奇現象が起っています。

お金を借りたがらない大企業に
お金を借りてもらおうとすれば、金利を値切られるし、
金利が少々高くても
お金を借りたがっている中小企業にそっぽを向ければ、
お金の流れはどうしても片寄ってしまいます。
それでも金利を生まないと銀行としては商売にならないので、
サラリーローンに融資したり、
カードの貸越しに高利を課したり、
でなければ海外に資金を持ち出して
アメリカのファンドにバクチの資金を提供したりしています。
それも難しいということになると、
あとは超低金利の国債の引受手ということになってしまいます。
かつての産業資金の担い手がすっかり落ちぶれて、
高利貸もどきか、高利貸のパートナに
なりさがってしまっているのです。

ここまで落ちた銀行を
もう一度もとへ戻すことはできないでしょう。
産業界がその資金を必要としていませんし、
必要としている企業は利息を払える立場にいないからです。
銀行もまた仕事のない所で
いつまでも店をひらいていても仕方がありませんから、
資金需要があるところへ移動する必要が起ります。
日本人はお金持ちになったのですから、
そのお金を持って経済の成長をしているところに行って
企業に融資をすれば商売になります。
銀行がもじもじしているのなら、
クレジット会社か、リース会社が
その代わりをやることも考えられます。


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2003年6月18日(水)

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