第1196回
財産を目減りさせて何が不良債権の整理

同じようなことが
日本の生命保険会社についても言えます。
銀行は預金者から預ったお金を企業に貸して、
企業が不動産投資や株式投資に失敗したために
不良債権化してしまいます。
保険会社は被保険者から預ったお金を、
一部分、企業に融資して
銀行と同じ目にあっていますが、
その大半を不動産や株などの資産に自ら投資して
値下がりにあっているので、
二重にひどい目にあっています。
大赤字になって身動きができなくなっているのは、
保険会社の方がひどいと思います。

実際にはお金の大半が寝たままになっていますので、
お金のやりくりは銀行よりももっと悪いかも知れません。
それでも取りつけに合わないですんでいるのは
満期になるか、本人が死んでしまわないと、
お金を返せと言わない立場におかれているからです。

しかし、契約者に毎年払うことを約束した配当金が
払えなくなっていますから、
分配金を軽減する応急処置をとる必要に迫られています。
それを実行したら保険会社の信用に傷がつくし、
解約が続出してその存立をおびやかされるのではないか
という意見もあります。
でもそんなのんきなことを言っておられないほど
保険会社は火急の場に追い込まれていますから、
早晩配当は定期預金並みの動きになると考えてよいでしょう。

ただ今後もデフレ傾向がやまないとすれば、
保険会社が一息つく間もないでしょう。
何とか倒産を免れ、
外資の傘下に入らないですむとすれば、
それは日本人の財産が底を打って、
もうこれ以上、下がらないことが
確認されてからではないかと思います。
いまは書生論が横行し、
不良債権の整理のために
時価会計が強制されているので、
毎日、目が醒める度に日本人の財産が
目減りをする目にあわされています。
どうして財産を目減りさせることが
不良債権を整理することになるのかわかりませんが、
私はそういうこともあることを見越して
借金をできるだけ減らしたので、
何とか息をついていますが、
日本国中、月給や金利を支払う立場の人は大へんですよね。


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2003年6月19日(木)

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