第1209回
超高層ビルのブームは長く続かない

いま東京では超高層ビルが次から次へと完成しています。
先ず丸ビルが改築されて
予想外の集客力を発揮して話題になりましたが、
続いて汐留に電通ビルなどが建ち、
つい最近は六本木ヒルズ・タワーができて、
これまたジャーナリズムの話題をさらっています。

どこも最初に予定した倍以上のお客を集めているので、
予定より早く資金の回収ができそうだと喜んでいるようですが、
あまり油断はできません。
このあと今年から来年にかけて同じようなプロゼクトが
あと少くとも5つは続くからです。
どこもいままでにない大きなプロゼクトなので、
オフィスならオフィスだけ、
マンションならマンションだけの専用ビルではおさまらず、
ショッピングまで含めた
総合的な町づくりになるものが多いようです。

オフィスにしても、マンションにしても、
東京は既に過剰気味です。
その上、日本から撤退する外国企業も多く、
国内企業も銀行の合併をみてもわかるように
減る方向にあるので、
オフィス需要はあまり期待できません。
そこへ次々と新しいオフィス・スペースの供給がふえれば、
もっと有利な条件を出して
よそのオフィスにいる企業に
誘いをかけるよりほかありません。
現に引越代は受方が負担しますとか、
3ヵ月間の家賃は只にしますとかいったセールスが
はじまっています。
家賃を下げても空室がなかなか埋らないことになると、
超高層ビルのブームも一段落することになるでしょう。

もう一つ、どこの超高層ビルでも客寄せのために
有名店に集まってもらって飲食店街をつくっています。
丸ビルなどはそれがうけて
1年以上にわたってレストラン・ブームが続きましたが、
超高層ビルのお客さんは
観光のための一見(いちげん)さんばかりなので、
次に新しい超高層ビルが開業すると、
そちらにお客が移動します。
高い家賃を払って入居した有名レストランが
はたして採算に乗るだけのお客を
持ち続けることができるか、
ことしから来年にかけてが見ものでしょう。
成り立たなくなるレストランが
かなり出ると私は見ています。


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2003年7月2日(水)

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