第1217回
高速道路がなぜ民営できない?

電力でも電話でも、あるいは郵便や鉄道でも、
公共性の強い分野は、政府の規制がきびしいか、
そもそも民営を許さず、
明治からこの方、国営でやるのが常識でした。

民営に比べて、
国営はどうしても「親方日の丸」ですから、
生産性があがらず業績が悪化して
国家財政の大きな重荷になってしまいます。
ならば民営化しようということになると、
労組が先頭に立って反対しますし、
それを選挙地盤にしたり、
資金源にしている政治家たちが
その代弁を買ってでますから、
容易なことでは実現にまでこぎつけることができません。
でも電々や国鉄の民営化を見てもわかるように、
株式組織に移ると、採算を目標にするようになりますから、
大赤字だった経営が曲りなりにも人並みの経営になり、
政府の負担がそれだけ軽減されます。

その勢いに乗って、
とりあえずは高速道路と郵政が
構造改革の槍玉にあがっていますが、
どれ1つ例にとっても、
抵抗ばかり目立って改革は遅々として進みません。
もし同じ事業を民間もやってよろしいということになったら、
もっと効率よくやれて
もっといい実績をあげている例が
外国にも国内にもあります。
たとえば高速道路は日本では国営で、
建設省の古手の吹きだまりになっていますが、
中国ではいずれも民営で、株も上場されています。
但し、民営と言っても株の大半は政府が保有していて、
その一部だけ一般株主に公開されていますが、
会社の場合は配当をしなければなりませんから、
採算を無視した経営をやっているわけには行きません。
ですから日本でもかつての国鉄と同じように
いくつかの地域に分けて民営に移せば、
料金のとりっぱぐれのない商売だけに、
安定した収入のある事業体になれるのではないでしょうか。

それでも反対する人がいるのは、
既得権が発生しているからです。
電話ならライバル会社をつくれば
すぐにも屈服させることができるのですが、
高速道路は隣りにもう1本走らせることができないのが
最大の悩みですね。


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2003年7月10日(木)

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