第1223回
企業も雑誌と同じ運命を辿ります

戦後の一時期、4大婦人雑誌が
我が世の春を謳った時代がありました。
主婦之友、婦人倶楽部、主婦と生活、婦人生活と
4つの雑誌で200万の発行部数を
分けあったと言われています。

やがて時代が変わると、
同じ雑誌では時代の感覚の変化について行けなくなり、
ミセスとか、家庭画報とか、婦人画報とか、
婦人公論がそれにとって変わりました。
しかし、これらの雑誌もその後、
息が続かなくなってしまい、
廃刊したものもあれば、
あれこれいじくりまわして
やっと生き残っているものもあって、
出版業界の生存競争のきびしさを
私たちに見せてくれています。

時代が変わったのなら、
雑誌の方もそれに合わせて
記事の内容を変えればよさそうなものです。
編集者が年をとってつぶしがきかなくなったと言うなら、
編集者を変えれば何とかなりそうなものですが、
それがその通りにならないのです。
雑誌が廃刊に追い込まれると言っても、
突然、売り上げが落ちて
返本の山になるわけではありません。
毎号、少しずつ読者に見離されて
ついに成り立たなくなってしまうのです。

ならば誰かが途中で選手交替して内容を一新すれば、
過去の地盤もそのまま受けついで
起死回生できそうなものですが、
それがそう簡単にできません。
雑誌だけ廃刊になって、
出版社は何とか無事に生き残り、
誌名も編集長も一新して再出発しているものもありますが、
体質的に老朽化して
どうにも手のつけようのなくなった出版社は
倒産に任せるよりほかに方法がないのです。

以上は出版社の例ですが、
産業界全体にも似たようなことが起っています。
飲み屋やレストランや出版社と違って、
生産事業のサイクルは1まわりするのに
20年も30年もかかりますが、
入れ替わりに時間がかかるだけで
大体、似たような運命が待っています。
いまその時期に来ているというのが私の感触です。


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2003年7月16日(水)

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