第1286回
私の字余り人生は新天地ですごします

私は昭和29年に東京に住むようになってから
都合、5回家の引越しをしました。
引越しをすると住んでいる環境も変わるし、
気分も一新するので、
ライフ・スタイルがマンネリ化して鬱々がはじめると、
とても役に立ちます。

その後、家を引越すのをやめたのは、
ビルを建てたり、別荘を建てたり、
気分を一新するチャンスに事欠かなくなったからですが、
昭和47年以降は、
台北、ロス、香港、上海、北京、天津、成都と
行動範囲を拡げてビルを建てたり、
住居をあちこちにつくることになって
退屈しているひまがなくなってしまったからです。
小名浜というところに別荘を建てたことがありますが、
20何年間に2回しか泊りに行ったことはありません。

それでも行動するコースが固定化すると、
だんだん気持が落着かなくなってしまいます。
ですから、投資考察団を組織して
行ったことのない土地を訪れたり、
少人数でかねて行って見たいと思っていた都市に
行ったり致します。
行ったことのない土地に行くと
物珍しさにしばし我を忘れますが、
本拠地になっているところは
自分の生き方に号令を掛けるところですから、
総司令部をおくにふさわしいところでないと
気がすみません。

私が文筆業者をはじめてから、
長い間、東京は情報や思想の発進地に
ふさわしいところでした。
しかし、15年くらい前に
アジアの時代が到来することを予想した私は
自分の居を香港に移しました。
あの頃のアジアの情報センターは香港でした。
香港を根拠地にして
中国大陸から東南アジアまで
くまなく歩きまわりましたが、
いま私はコンベンション・プラザにある自分の家を畳んで、
上海の新天地に新しく建ったマンションに移ろうとしています。

新天地は中国の最先端を行くシンボルであることは
ご存知の通りです。
大豪邸ではありません。
2階に寝室が3つあるメゾネットになった
200平米くらいのつつましいマンションです。
生きていたらの話ですが、
ここであと10年の字余り人生を送ることになります。


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2003年9月17日(水)

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