第1288回
いま大陸では古道具の集め時です

いまから30年前、
私が国民政府と和解して台湾へ帰った時は、
ちょうど台湾中にビル・ブーム、
マンション・ブームが起って
古い民家を片っぱしから叩き壊していた時でした。
古い家で使っていた家具や台所用品や
刺繍などは役に立たない物として
古道具屋に二束三文で叩き売られていました。

私は骨董屋や古道具屋の店頭に
山と積まれた民芸品を見て、
もっているだけのお金をはたいて、
これらの民芸品を買い集めました。
それらの中には布袋戯という
指で動かす人形芝居のフルセットもあれば、
高砂族が明治時代の日本の一両銀貨を切断して
銀の鎖でつないだベルトのような
珍しいものもありました。
4、5千点も集めたと思います。
台湾の民俗文化を研究するための貴重な資料ですから、
私が私有していても仕方がないと思い、
台南市政府に寄付をしました。
いま「永漢民芸館」という名前で、
台南市の安平城跡のすぐ近くのオランダ屋敷に
公開されております。
もう今は台湾中を探がしまわっても、
あれだけの民芸品にお目にかかることはできません。

同じことが30年たった今日、
中国大陸で起っています。
中国は広大なので、
開発のかなり進んだ北京や上海で
古い民芸品にお目にかかることはもうほとんどありません。
しかし、田舎に行くと、
まだやっと古い家を
こわしにかかっているところもありますので、
それを上海や北京から買い集めに出かける業者があって、
古い物を手直しして
いま風の家に使えるようにしています。

ここでまた私の悪い癖が出て、
もう一度、古道具を集めにかかっています。
自分の住んでいる北京のマンションには
花嫁の輿入れに使った100年前の轎もあれば、
チベットの戸棚もおいてあります。
幸、私のマンションには
300台の自動車を停めるスペースがありますので、
当分、倉庫には困りません。
日本へ持って行ったら
人気を呼ぶ家具として使える古道具ばかりです。
商売になると思いますが、
興味を持っている人おりませんか。


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2003年9月19日(金)

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