第1292回
中国製品の品質レベルは目を見張るばかり

温州国際ホテルの1階と2階に
世界の有名ブランドの店がずらりと並んでいます。
ホテルのアーケードに
有名ブランドが勢揃いをしている姿は
珍しいことではありませんが、
中国の地方都市の住民の懐具合と
全く不均合な名店街は
この町以外のところでお目にかかったことがありません。
それというのも、
これらのブランド商品の加工工場が
この町に集中しているからです。

店に並んでいる商品の値札を見ると、
ヨーロッパ並みの値段がついているので、
バーゲン・セールの値段でも、
思わず手を引っ込めてしまいます。
お客もマバラなので、
店の女の子たちは手持ち無沙汰で、
雑談などしています。
その中を一軒一軒覗き込んで歩いているうちに、
ふと半額セールをやっている男物の店に入って見ました。
デザインも素材も素敵なイタリアン・カットの
シャツやジャンパーを手にとって見て、
更に値札を見ると、
日本で買う値段の5分の1以下です。

見ると、私が名を知らないイタリアのブランドです。
日本で15000円でも買えないようなシャツが
バーゲン中とはいえ3000円です。
ウールのズボンはたったの3750円です。
シャツを2枚とズボンを3枚選んで
ホテルの部屋へ戻って着てみたら、
もう一度、その店に行きたくなりました。
今度は気に入った物を次々と試着して見て、
ブレザを3枚、ズボンを更に6枚、シャツを更に3枚追加して、
トランクに詰めるだけ詰めて、
帰りの荷物がオーバー・ウエイトで
追加料金を要求されてしまいました。
3枚のブレザはいずれも私が香港で
半額セールの時に買う値段の5分の1以下でした。

安物買いに夢中になっている自分の姿を
皆さんに自慢しようとしているのではありません。
イタリアの下請け加工を引き受けている
温州の縫製工場の腕前が
見違えるほど上達したことに驚いたのです。
繊維や皮革製品のことだけについて言えることではありません。
見様見眞似だ、コピーだとバカにされているうちに
メイド・イン・チャイナの工業製品は
世界のトップ・レベルに迫ろうとしているのです。
しかもこの値段ですから、どうやって競争しますか。


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2003年9月23日(火)

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