第1304回
中くらいの値段でおいしいすし屋は?

人件費がどんなに高くなっても、
スシはなぜだか、いまでも男の握る物
ということになっています。
何とか安くする方法はないものかと考えて、
握りの機械を発明した人がおりますが、
日本人の間では受け入れられなかったので、
先ずアメリカのホテルで使ってもらいました。
アメリカ人なら手で握ったか、機械で握ったか
という微妙なニュアンスの違いなんかにこだわりません。

それが逆輸入されて、
最初はホテルの宴会用握りから
おそるおそるはじまりましたが、
見ている前で握るすしでなければ、
喜んで食べてくれる人が少しずつ出てきました。
安ければいままで食べられなかった人たちを
お客をすることができますから
新しいマーケットがひらけます。
とうとう100円ずしや廻転ずしが定着して、
それだけでは満足のできない人たちを相手の大衆すし屋が
日本国中を席捲するようになりました。
それはそれでデフレの時代の流れに乗って
新しい商売だと私も理解しています。

しかし、日本には伝統工芸もあれば、
伝統料理もあります。
レベルの高い日本料理は
カウンターのある日本料理屋に生き残っていると
私は言いましたが、
すし屋はどこに生き残るのでしょうか。
私は自分の「実務手帖」のすし店の欄のさしかえのために、
ここのところずっと
かつての有名なすし屋を食べ歩いて見ました。
1人前2万円もとるような超高価のすし屋に
私はあまり興味がありません。
もともとすしは大袈裟な食べ物だったし、
その名残りのある味と
値段とサービスの店ではないと気に入らないのです。

そうした角度から見ると、
景気のよかった頃の一流すし屋は
残念ながら見る影もありません。
お客も入っていないけれど、
お勘定を払って見ると、
この値段の半分でなければ
いまの時代の人々のふところ具合に合わないなあと
痛感させられます。
必らずそういう店がある筈ですが、
どなたか心当りの人があったらぜひ教えて下さい。
中くらいの値段で食いしん坊を
満足させてくれるおいしい店を。


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2003年10月5日(日)

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