第1329回
ヨーロッパの富豪のひそみにならう

私は何年かに一ぺん、
当り年のワインを箱で仕入れて
ワインセラーに貯蔵します。
フランスのワインは醸造してから
10年、20年たって飲み頃になる物が多いので、
気の長い対応をしなければなりません。
いま飲んでいるのは85年、86年のワインで、
87年にボルドーに行った時に仕入れてきたものです。
89年のワインはまだ全然、手をつけていません。
ですから死ぬまでは間に合うと思っていますが、
万一、生きていた時の保険のために、
2000年物を10箱ほど買ったのです。

仕入れる時、
本当はそれほど熱心ではありませんでした。
どうせ子供たちの口に入るワインだと思ったからです。
でも1本1本箱から出してワインセラーに入れながら、
ふとボルドーに行って
シャトー・マルゴーの工場を見た時のことを思い出しました。
こちらはロスチャイルド財閥と
比すべくもない淋しい懐具合ですが、
ヨーロッパでもカリフォルニアでも、
シャトーを持つことは
男たちの虚栄心に訴えるところがあるんですね。

男の道楽として
ホテルはビジネスホテルしかつくりませんでしたが、
ゴルフ場はちょっとしたものをつくりましたね。
あともう一つよけいなことをやるとすれば
ワイナリーだなあと思った途端に、
玉村豊男さんが長野県の東部町というところで
葡萄畑からつくりはじめて
10年がかりでワイナリーを建てていることを
思い出しました。
すぐに玉村さんが
出版の度に送って下さっている本の中から
ワインづくりに関して書いた本を抜き出して
むさぼるように読みふけり、
ご本人に電話をして確めたところ、
醸造工場の建物はできあがり、
いま機械設備の類を運び込んでいる最終段階に
入っているとのことでした。

ごらんになりたかったらどうぞおいで下さい
と快諾を得たので、
それこそ30年ぶりに軽井沢を訪れ、
友人の案内で東部町のお宅へ伺いました。
個人のつくったワイナリーとしては
恐らく最大のスケールであるのに先ず驚きました。


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2003年10月30日(木)

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