第1330回
玉村さんの情熱には頭が下がりました

玉村豊男さんは軽井沢に住んでいましたが、
パリ留学の折りにたしなんだワインの味が忘れ難く、
とうとう意を決して奥さんと2人で
すぐお隣りの東部町に農地をもとめて
葡萄の栽培からはじめ、
ことしで10年あまりの歳月がたちました。

全くのシロウトからはじめたワインづくりですから、
さまざまの困難にぶつかり、
それを乗りこえてとうとうワイナリーが
完成するところまでこぎつけました。
畑づくりも並大抵のことでありませんが、
ワイナリー建設がこれまた容易ならざることで、
何十年、文筆で稼いだお金を
悉く注ぎ込んでの道楽ですから、
いくら私がソロバンをはじいても
採算に合いそうもありません。
それでも楽しんでやっていることですから、
ただ無為に時間を送っている人よりは
ずっと張り合いのある人生だと思います。

フランスに行くと、
こんな片田舎に、というところに、
三つ星のレストランがあって
遠くからでも食いしん坊の連中が
泊りがけでご馳走を食べに来ますが、
玉村さんもフランス料理のシェフを使って
ワイナリーの建物の中に
レストランをひらく計画を建てています。
来春には開業する予定だそうですから、
軽井沢においでになった方は
ぜひお隣りの東部町まで、
ワイナリーの見学ついでに、
舌の方をたのしませて下さい。

山梨や長野の葡萄園と違って、
雲南省や新彊自治区では人手に困りませんので、
ブドウの手入れに
自分が狩り出されることにはならないでしょうが、
ではボルドーやブルゴーニュ並みのワインが
できるようになるかと考えると
これは容易ならざることだと
だんだん心配になってきました。
カリフォルニアのワインだって
最近のレベルに達するまでに20年や30年はかかっています。
日本に至ってはやっと緒についたばかりです。
そう考えたら雲南まで行き、
コーヒー園の下調べをしてから
葡萄地帯に足を伸ばしましたが、
はたして悪い予感は現実のものになってしまいました。


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2003年10月31日(金)

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