第1341回
日本人は職人気質で勝負ができます

私は日本と中国にまたがって仕事をやっているので、
2つの国の気質の違いが
手にとるようにわかります。
日本人は職人気質が血液の中を流れているので、
お金よりも仕事ぶりを重視します。
中国人は根っからの商人気質なので、
仕事をやっても仕事の出来栄えより、
それによってもらえるお金の方に気をとられます。

次の時代の新しい仕事を手がけるに際して
私は日本人の青年に
「これは将来性のある仕事だから、
夢を実現するためにこれだけの犠牲を払って下さい」
と言うと、
「わかりました。
収入のことは事業が軌道に乗ってから
また皆で相談しましょう」
と2つ返事で承知します。
ところが、同じことを中国人の青年に説明すると、
フンフンとおとなしくきいていますが、
いよいよ大詰めにくると、
「話はわかりましたが、
ときにその仕事をしたら私はいくら貰えるのですか」
と手をさしのべます。
はじめからおしまいまで、
話は何もきいていなかったとしか思えないような
反応しかしないのです。

もちろん、日本の平均収入は
中国の20倍から30倍もありますから、
日本人には犠牲を強いる話ですが、
中国人にとってはサラリーを減らす話ではありません。
もっと完璧な仕事をやってもらいたいという話なのです。
それに対して反対給付はどうなるんだということが
中国人青年の最大の関心事なのです。

この一事をもっても、
どうして日本が一足先に金持ちになったか、
その理由がわかります。
いま中国も日本の後を追って
高度成長期のレールに乗っているところです。
仕事に取り組む姿勢では
まだまだ日本には遠く及びません。
賃金が安いだけで勝負がつくわけではないのです。
その辺は日本人の青年の方に一日の長があります。
従って国境の壁をこえて、
同じ条件で仕事に取り組むことになったら、
日本人は異国でも立派にメシを食って行けます。
失業の心配をするよりも、
自分たちの活躍の舞台が
世界に拡がったと考えてよいと思います。


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