第1343回
株を買うなら成長する中国株を

「中国株の基礎知識」(東洋経済刊)の
執筆をする気を起したのは、
私が比較的早くから中国株の将来性に
嘱目したことと関係がありますが、
株をやるなら経済の成長する国の株に限ると
考えてきたからです。

私が日本の経済が大発展して、
将来、経済大国になるだろうと予想して、
「文芸春秋」誌に「日本天国論」を書いたのは昭和31年、
私が直木賞を受賞した直後のことでした。
実際に株式投資をはじめたのは
3年後の昭和34年のことでした。
株に対して何の知識を持っていなかった私は
NHKに頼まれて
「マイク片手に」という番組で
はじめて証券取引所を訪れ、
プロの人たちがどんな理由にもとづいて
株の売買をするのか根掘り葉掘りききました。

当時はまだ今日のように
株式投資が大衆化しておらず、
兜町にはプロ、セミプロの相場師が出入りしているだけで、
人気銘柄も日清紡、東洋紡、鐘紡、東レ、帝人といった
繊維株が中心でした。
どんな根拠で売ったり買ったりするのかときいたら、
次の決算がよくなるかどうかの見透しによって
どちらかに決めるということでした。
自動車株はまだストばかりしていて
不良少年扱いをされていたし、
家電株や建設株も注目すら浴びていませんでした。

私は日本の工業化がすすみ、
次々と小さな企業が大きくなることを
頭の中に描いていたので、
誰でも知っている一流株よりも、
これから大きくなる成長株をジッと持っている方が
ずっと多くの報酬をもたらしてくれるだろうと考えて、
無名だけれども成長性の高い株を買うように
週刊誌ですすめました。
そうしたら、週刊誌が発売された日に
私がすすめた株が必らずのようにストップ高をしたので
私はたちまち「株の神様」に祭り上げられてしまったのです。
同じ株を買うなら成長しきった日本の株よりも、
これから成長過程に入る中国株がいいと言ったのは
そうした裏打ちがあってのことです。


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