第1367回
食器にお金をかけています

もう1つは食器にお金をかけていることです。
アメリカに行って親戚や友人の家に招ばれたりすると、
よく紙のコップや皿がテーブルに並んでいます。
人手がかからないですむように、
食事のあと、そのまま捨ててしまうためでしょう。
アメリカではそういう常識が罷り通っているのでしょうが、
私の家で紙コップを使ったりすることは先ずありません。
ナイフやフォークや箸や器が立派なものでないと、
折角、心をこめてつくった料理の味が
冴えなくなってしまうからです。

私の家ではナイフやフォークは、
ジョージ・ジャンセンとクリフトフルと
もう1つ、イタリア製の純銀の物を使っています。
3セットもあるのは、
子供が3人いて親が死んだあと、
子供たちが喧嘩をしないですむように
という家内の配慮からです。
また箸はお客様の分を含めてすべて象牙の箸です。
私の書いた本にも「象牙の箸」というのがありますが、
象牙の箸は長く使っていると
それぞれに個性的な色艶が出て
捨てがたい物になります。
プラスチックの箸ができるようになってから、
中華料理屋で出す中華箸は
すっかり風情のないものになってしまいましたが、
私は10何年も前に
わざわざミャンマーまで買いに行ったことがあります。
いまもその時の象牙の箸を使っていますが、
確か1ダースで10万円以上払った記憶があります。

象牙の箸はその値打ちを知らない人が多いので、
あまり紛失しませんが、
銀のスプーンやフルセットになった
マイセンやフローラになると、
いつの間にか1つや2つは
戸棚から姿を消してしまっています。
仕方がないので、ヨーロッパ旅行に行く度に
壊された分や消えてなくなった分を補充しています。
小さなコーヒーのスプーンでも
1つで2万円もすることを
失敬したお手伝いさんは気にもしていないのでしょう。
それでもお金を払って補充できる分はいいのですが、
もう製造中止になっている陶磁器は
片割れになったままです。
まあ、これも人生の縮図みたいなものですから、
ガマンのできないことではありませんが・・・。


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