第1401回
値段の安いことが一番の魅力です

イタリア帰りの若いシェフを
私に紹介してくれたのは
いまうちのホーム・ページで
「或る日、食に目覚めて」を連載してくれている
井川直子さんです。
本屋で井川さんが柴田書店から出した
「イタリアに行ってコックになる」
という本を見つけて、
その晩のうちに始めからおしまいまで
全部、読んでしまいました。
私は最近よくイタリアに行き、
有名な店で食事をします。
どこに行っても日本の青年がキッチンで働いており、
どうして若い人たちの間で
こんなに人気があるのだろうかと思っていましたが、
この本を読むとその秘密がとけてきます。

そこで井川さんにおいでいただいて
料理に対する思いを
好きなように書いて下さいと頼んだついでに
誰か北京のイタリア料理屋のシェフに
なってくれる人がいませんかときいたら、
すぐその足で心当りの人を訪ねてくれたのだそうです。
もう次の週には泊君という青年が履歴書を持って現われ、
そのまた次の週には
私の家で5人の口うるさい連中で試食会をやり、
オーケーを出したのです。
まだ30才ですから経験も浅いし、
円熟した腕前というわけには行きませんが、
素質があって、やる気があって、少し時間をかければ、
立派なシェフに成長することの期待できる青年でした。

北京でのイタリア料理店をひらくために、
私は北京のイタリア料理屋を
あちこち食べて歩いています。
イタリア人のひらいている店にも行きましたが、
ちゃんと母国の一流レストランで修行したシェフではなくて
中国人の女性と結婚したイタリア人が
身すぎ世すぎのためにひらいたイタリア料理屋ですから、
値段は北京人の水準に合わせていますが、
料理は本格的なものではありませんでした。
それでもよく流行っていたのは
土地の人々が少し気張れば
払えないではない値段だったからでしょう。
うちのマンションのすぐ隣りの通りにあったので
よく通いましたが、
都市計画で壊されてしまうと、
どこに移ったのか、
わからずしまいになってしまいました。
でも北京の人に親しんでもらうためには
何と言っても値段の安いことが一番だ
ということを教えてもらいました。


←前回記事へ 2004年1月10日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ