第1416回
お金にも働いてもらう人がふえます

「お金もないのに何が一億総資本家の時代か」
と反駁する人がいるかも知れません。
でも敗戦後、無一文に近い状態から出発した日本人は
高度成長の道をひた走りに走っていくうちに、
いつの間にか世界のトップを行く
金持ちの国になってしまったのです。

好況時、1回の賃上げで月に1万円ふえるのは
珍しいことではありませんでしたが、
1万円はアジアの他の国では1ヶ月分、
もしくはそれ以上の賃金に相当しました。
いまでも日本人の1人の給料は
中国の20人分、あるいはそれ以上に相当します。
ベトナムやインドネシアに行けば、
もっと大きなひらきがあります。

そうやって貯めた日本人の金融資産は
1400兆円にものぼりますから、
よその国の人から見たら、
日本は資本家の国であって、
労働者の国ではありません。
汗水垂らして働いているうちに、
日本人は金持ちになり、
しっかり貯め込んだお金をうまく運用するだけで
生活のできる国になったのです。
その上、技術力を持っていますから、
両方あわせたら鬼に金棒です。

にも拘らず、
日本人はいまでも自分たちは
汗水垂らして働く労働者と思い込んでいますから、
資本は銀行に預けっぱなしにしています。
郵便局の10年定期が満期になった時、
ゼロに近い低利では
解約をして証券投資にまわす人が多いのではないかと
証券会社の株が先廻りをして値上がりしましたが、
蓋をあけて見ると、
7割もの預金がそのまま郵便局に残ったので、
資本家に鞍替えのできない日本人が如何に多いか、
改めて目を見張らされたものです。

なるほど1回は空振りで終わりましたが、
世界の情勢は日本をいつまでも同じところに
放置しておいてはくれません。
日本の生産事業の大半は多国籍化するし、
その分、日本の資金も
日本国内にとどまってはおられなくなります。
個人の預金も働く場所を探がして
銀行から出て行く公算がふえます。
預金を下ろしてお金に働いてもらうことを考える人が
ふえるということです。


←前回記事へ 2004年1月25日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ