第1429回
デフレでもよく売れる物を考えよう

工業社会でデフレが起ると、
ビジネス・サイクルが一変して
自動恢復力が失われてしまいます。
「もう景気は底を打った、そろそろ恢復だ」
と言われながら、掛け声ばかりで
一向に景気が恢復しないのはそのためです。

工業社会でも、
まだ工業製品に対する社会的な需要が多く、
目先の変わった新製品が
新しい需要を生み出して
物がうまく売れている間は、
商品のライフ・サイクルとか、
投資から増産までの期間によって
景気不景気のサイクルが見られました。
2年好況が続くと、2年の不況がそれに続き、
産業界では右肩上がりの成長が
1990年までは続いたのです。

その間に、日本の平均賃金は
世界のトップレベルまで届いたこともあります。
また貿易黒字の拡大によって
かつてない円高になったこともあります。
そのために工業生産の有利性が
失われてしまったことも事実ですが、
一転してデフレになった最大の原因は
国内における需要と供給のバランスが崩れて、
日本人が物を買わなくなったことです。
日本製品に魅力がなくなってしまったからではありません。
日本製が高すぎるからでもありません。
日本人が一番たくさん買っているのは
いまでも日本で生産されているものですから、
日本人が物を買わなくなったら、
日本製品が一番打撃を受けるという
只それだけのことです。

しかし、それだけのことで日本国中、
物が売れなくなって、
物価が下がってしまいます。
売れなくなれば、
物をつくっても仕方がありません。
安くすれば売れる商品は
安くつくれるところに工場を移転するか、
そうした国から輸入します。
その分、いままで付加価値を得ていた生産は減りますが、
付加価値を生む能力が失われたわけではありません。
また購買力が失われてしまったわけでもありません。
いままでと同じことをやっていたのでは
生活ができなくなってしまっただけのことです。
ですからデフレになっても
人が喜んで買ってくれる物やサービスは何かを考え、
それに眞剣になって取り組めばよいのです。


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