第1465回
グローバル化で一層切実になった成人教育

もう一つ、成人教育の必要を
痛感するようになった理由があります。
それはグローバル化が時代の流れになって、
一つの国で受けた教育や知識が
すぐお隣りの国に行っても
たちまち通用しなくなって
困惑するようになったことです。

とりあえずは言葉です。
日本人で韓国語のできる人がどれだけいるでしょうか。
中国語のわかる人が何人いるでしょうか。
もちろん、それは韓国の人にも、
中国の人にもあてはまることです。
ですから20年も前に私は
台湾で日本語学校をつくりましたし、
同じ教室で在留日本人には中国語を教えています。
中国大陸でもその必要が起ってくると、
私は先ず第一に
言葉の勉強をするところをつくりました。

しかし、実際に日本企業が
次々と大陸進出するようになると、
言葉だけでは間に合わなくなります。
たとえば、商行為がはじまると、
お金の出し入れがありますから、
帳簿の記録をしたり、
会計の処理をしなければなりません。
ところが、日本の会計制度と
中国の会計制度は違いますから、
日本人では中国の税務署に提出できる
バランス・シートはできませんし、
中国人のエキスパートでも
日本本社の要求するバランス・シートはつくれないのです。
ということは双方の会社制度のわかる
新しい専門家を必要としているということです。

会計制度だけではありません。
法律はもとよりのこと、
インテリア・デザインから
グラフィック・デザインから、
さては社員教育に至るまで
2国以上にまたがった企業経営がふえればふえるほど
成人教育の必要性はふえるのです。
そう考えたので、
上海に日本語学校をつくった時、
自力で職業教育の施設がつくれないのなら、
上海の大学とタイアップしてやれないものか、
何なら私がお金を出して
上海の大学でそういう講座をつくれないものかと考えて、
上海でもトップにランクされる大学の
校長先生のところまで掛け合い
談判に出かけたこともありました。


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