第1539回
神様にも情報源は必要です

東南アジアのどこの港町に行っても、
華僑のいるところには
必ず媽祖宮があります。
私の生まれた台湾の台南市にも媽祖宮はあります。
澎湖島は台湾と大陸の中間にありますから、
恐らく馬公にある媽祖宮は
台湾で一番歴史の古い媽祖宮でしょう。
でも、いま台湾で一番信者をたくさん集めているのは
大甲鎮というところにある媽祖宮で、
ここの媽祖さまが神輿に乗って外出する時は
50万人くらいの信者がついてまわるので
大へんな行列になり、
交通も全部、渋滞してしまいます。

その媽祖の総本山が
福建省の州島というところにあって、
福建省の省都福州から
高速道路で2時間くらい走った
田という町からフェリーで渡ります。
10年前、私が香港で飛行機事故にあって
海の中に突っ込んだにも拘らず、
擦り傷一つ負わなかった時、
家内や娘にすすめられて
州島詣でをしたことがあります。
生まれてはじめて州島に行ったのですが、
文化革命で破壊された本殿は
東南アジアから台湾までの
海とかかわりのある仕事に
従事している人々の寄進によって
立派に再建されておりました。

しかし、私が一つだけ
腑におちなかったことがありました。
それは媽祖の側近である千里眼と順風耳という2つの神体が
媽祖から切り離されて、
仁王の按置される別棟におかれていたことでした。
私に言わせると、
まだ誰も見えない向うが見えて、
誰も耳にしない情報があってこそ
媽祖の存在意義があるのに、
それらの情報源を、
愚かな寺廟管理委員会の面々が無理矢理、
媽祖からきり離してしまったのです。
いくら媽祖でもこれでは情報不足におちいって
神通力を失ってしまいます。

何とか千里眼と順風耳を
媽祖の身辺に戻してあげなくては、
と帰る途々気にしながら、
あッという間に10年の歳月がたってしまいました。
この10年、私もバブルの整理に追われて
他を顧るいとまがありませんでしたが、
どうやら身辺の整理もついたので、
胸につかえていたことを片付けなくっちゃと
思うようになったのです。


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