第1570回
マイホーム、マイカー、ブームにもブレーキ

中国の金融引締めは
投資ブームにブレーキをかけるためだと言いましたが、
一部、消費を抑える方向にも向っています。
不動産業者や開発会社への融資を取り消したり、
既に貸している資金の回収にかかったりするのは、
マンションやオフィス・ビルの開発を
抑制するのには役立ちますが、
業者に対する融資をいくら抑えても
マンションの売出し広告が出たとたんに
行列ができたのでは、
不動産の値上がりに
ストップをかけることはできないでしょう。

現にいまの上海では
そういう状態が続いています。
私の知人の中には200人のエキストラを動員して
欲しかったマンションを
やっと2室手に入れた人がおりますが、
中国のローンは建物が完成してから組むものではなく、
ローンの契約をした時点から
銀行の返済をはじめる仕組みになっているので、
青田売りをしている業者にも
銀行にも好都合にできています。
それでも不動産が値上がり傾向にある時は、
住宅ローンの申し込みは後を絶ちません。
そこで上海市政府は、青田買いをした人は
建物が完成して登記してからでないと
譲渡ができないという規定を発表しました。
新規のローンは受けつけなくなったともききます。
そうなると、
消費者への融資を押え込むことになりますから、
融資を受けられない人の需要が
それだけ減ることになります。

同じことが自動車ローンにも起っています。
マイカー・ブームにうまく乗って、
自動車ローンはずっと膨張を続けてきましたが、
無差別にローンをつけたので、
ローンの不良債権化が急増していると
新聞は報じています。
ここへ来て自動車ローンにも
チェック・システムが取り入れられたので、
自動車の売れ行きに
歯止めがかかるようになりました。
その一方で過剰生産のために
値崩れが表面化しはじめたので、
自動車メーカーの株価も
下げがなかなか止まらない毎日が続いています。
自動車メーカーの業績が
昨年並みの数字をあげられるかどうかは
第二、四半期の結果を見なければわかりませんが
これでマイカー・ブームが
終わるわけではもとよりありません。


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