第1595回
金融引締めとバブルを混同しないで下さい

金融引締めのことを中国語で
「宏観調控」と言います。
マクロ的調整というほどの意味ですが、
政府が干渉するとしても
実際にできることは
金利の引上げをするとか、
どこにお金を貸してはいけないとか
銀行を指導することですから
実際にやれることは、
結局は金融引締めということになってしまいます。

いま中国で起っている金融引締めは、
昨年末の経済成長が9.7%にも及び、
この勢いで推移すると投資が過熱して
景気が短命に終わることをおそれた予防措置ですから、
景気が悪くなったわけではありません。
日本の場合は、
バブルがはじけて大不況になったのですから、
梃子入れをするだけでも大仕事ですが、
中国の場合は景気が好すぎて
逆に政府が手綱を引き締めるという話です。
手綱を引きすぎて
今度は逆に不景気になってしまったということも
全くないとは言いませんが、
日本の過去の例で見ますと、
しばらく金融引締めが続いて
設備投資が鎮静化したら、
次の景気恢復につながり、
経済のスケールが更に一まわり大きくなっています。
したがって金融引締めによって
株価が下がった時は(あとから考えて見ると)
いい買い場になっています。

ただ注意しなければならないことが二つあります。
一つは希望的観測も手伝って
すぐにも政府が手綱をゆるめると思いがちですが、
金融引締めはかなり長く続くだろうということです。
少くともことし一杯は続くと考えて
次の対策を練ればいいわけですから、
あまりあわてて株の仕込みをする必要はありません。

もう一つは次の段階での成長業種と
成長銘柄は何かということを
もう一度よく確めることです。
いつも同じ銘柄がチャンピオンを続けるとは限りません。
だだ、株の儲けは値幅にありますから、
売り叩かれた時に
どのくらい値を下げたかということと
かかわりがあります。
そういう利幅の研究をじっくりやりなおす時間が
ことしの後半にあることは確かです。
そのためには自分が過去に
いくらで仕入れたかにこだわらないことが大切です。


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