第1623回
大陸の勝負はまだこれからです

意識してそうしたわけではありませんが、
自分の通ってきた道をふりかえって見ると、
必らずのように
これから陽の当たるところに向って
歩みよっています。
日本が高度成長をはじめた時は日本にいて、
日本が貧乏国から出発して
アメリカと並ぶ富裕国にのしあがる
一部始終を見てきました。

ついで台湾と韓国に陽が当りはじめた時は
台湾に帰るようになっていたので、
台湾の人たちが金持ちになって行くのを
目の当りにしました。
一時は自分もその只中にいて、
大富豪の行列に加わるのではないかと
錯覚したこともありますが、
金持ちになるためには
お金の儲かる仕事を見つけたら、
そこに全精力を集中して
脇目をふらないようにしなければなりません。
私のように世の中の変化の方に気をとられて
目移りのする人は
「先見性のある人」にはなれたとしても、
大富豪になれないことを
身を以って体験したことになります。

また韓国の高度成長については、
ちょうどその時期に三星物産の創業者である
李秉浮ウんと親交がありましたので、
三星の事業の展開を通じて
じかに見せてもらいました。
李さんが三星電子をつくる時も、
工事中に現場を見に行きましたが、
まさか世界のトップを行く大事業になるとは
思っても見ませんでした。

台湾のあとに香港に動いたのは、
香港の経済の発展を見越して
行動したわけではありません。
台湾、韓国の次は恐らく大陸だろうと考え、
「大陸の香港化」が先ず起って、
それから大陸に
「付加価値づくりの中心」が移るだろうと考えたのです。
このプロセスの読みは見事にあたったので、
私は香港で多少の財産をつくりましたが、
折角、香港で稼いだお金をほとんど全部、
大陸に注ぎ込んだので、
決してはたの人が見るほど
うまく行っているわけではありません。
しかし、中国が「世界の工場」の役割をはたすのは
一朝一夕にできることではありませんから、
勝負はまだついていないのです。


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