第1624回
投資をするなら発展途上国へ

私が香港に目を向る前に、
もう一つ私の目を惑わせるようなことが起りました。
日本の貿易黒字が定着して、
物凄い勢いで日本に外貨がたまるようになったので、
日本銀行が外資減らしのために
外貨による海外投資を
大幅に緩めるようになりました。
はじめは生命保険会社の
米国債買いくらいのことでしたが、
これが民間企業の海外投資にまで及び、
国をあげてカリフォルニア開発がはじまったのです。

日本企業のアメリカ投資は
ニューヨークのロックフェラーセンターにまで及びましたが、
その結果はご承知の通りです。
でもはじまった当時は
秀和や麻布自動車のような
私の周囲の人たちまで
大へんな勢いだったので、
私に「カリフォルニアが第二の満州になるのではないか」
と思わせるような場面もありました。
そう言えば、日本は自動車と家電製品を輸出し、
アメリカは小麦とオレンジと牛肉を日本に輸出しているのだから、
どちらが工業国でどちらが農業国か、
現実は常識とチグハグになっています。
そのため日本がアメリカの工業化に
一役買うのではないかと
私自身、考えたことがありました。

たまたまアメリカへ手引きをしてくれる人があって、
私は一時期、アメリカで不動産の開発をしたり、
新聞社のオーナーをつとめたりしたこともあります。
でも、実際に事業に手を出して見て、
アメリカのビジネスが一すじ縄では行かないことに
すぐ気がつきました。
広大なところですから、
日本のように土地本位制になる可能性は全くないし、
土地の買占めなどできるわけもありません。
全力投球をするなら別だが、
片手間でやる投資を
アメリカで成功させることは無理だと悟るのに
そんなに時間はかかりませんでした。
それでも後始末をするのに10年はかかりましたから、
海外投資はイージーにできることでないことがわかります。
ただ中国投資と同時進行でやったので、
双方を比較することによって
「お金を使いに行くなら先進国へ、
 投資をするなら発展途上国へ」
という結論に達するのに
そんなに時間はかかりませんでした。


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