第1633回
頭をぶつけた所から道はひらけます

私は日本人と中国人の賃金差から見て、
日本人は日本の企業から派遣されて
中国大陸に行くのでない限り、
中国では仕事ができないだろうと
長い間、思っていました。
もしそうだとしたら、
日本国内で新しい付加価値を生む仕事は
だんだん減って行く方向にありますから
失業者はふえる一方だろうなあ、
いまの若者は一体、
どうする積りだろうか、
と首をかしげ続けてきました。

その点、香港や台湾の若い人は、
自分たちの職場で賃下げを要求されているし、
転職をしても
もっと賃金が安くなる環境におかれていますから、
頭の切り換えが容易で
サラリーが安くても職さえあれば
中国大陸に出稼ぎに行く人がふえています。
それに比べると、
日本では転職の場合を除いて、
月給が下がる心配はほとんどありません。
その代わりに会社は
専ら余剰人員の整理に力を入れることになります。
こうしたムードの中で、
若い人はどうする積りだろうか、
どうやって夢を充たすことができるのだろうかと
こちらが心配になってきます。

ところが、最近は自ら進んで会社を辞職したり、
大学を中途で休学して中国に行く人がふえています。
なかでもとりあえず中国語を覚えなくっちゃというので、
北京や上海の大学の語学科に留学する人が
一番多いようですが、
そういう人は留学を終えてからも
日本へ帰る様子は一向に見えません。
現地採用の就職先を見つけるのは難しいのですが、
東大に入るより
もっと困難な狭き門をくぐり抜けることに
渾身の力を搾っているのをよく見かけます。

会社を惜し気もなく辞めたり、
思い切って休学するところで
既に犠牲を払っているのですから、
これらの青年たちは基本的に
開拓者精神を持った若者たちと見てよいでしょう。
そうした負けじ魂を持った若者を結集すれば、
新しい時代を築く
新しい事業ができるのではないかと
最近、私もやっと気がつきました。
そうした困難を物ともせず、
壁にぶっつけたところから新しい道がひらけるのです。
そうした青年たちにとって中国が
新しい活躍舞台になることは
先ず間違いありません。


←前回記事へ 2004年8月29日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ