第1690回
生産地でコーヒーの焙煎が可能に?

雲南省のコーヒーの産地は
昆明からずっと西に寄った保山と、
南に寄ったシーサンパンナに近い思茅の
二ヵ所に分かれています。
保山にはティピカという古典的な品種が残っていますが、
小粒なのと収穫量が少いので
目方売りには不利なため農民から敬遠されがちです。
したがって木が枯れると、
いまハヤリのカチモールに植え変えられるために、
収穫の時にティピカの中に
カチモールがまざってしまいます。
だから、これこそティピカの生き残りですと言っても、
カチモールが2割くらいはまざってしまいます。

でもこうした品種のコーヒーは
どこに行っても手に入らなくなってしまったので、
稀少価値があります。
今後もティピカを保存しようとすれば、
自分でコーヒー園を直接、経営して
品種を指定して植付面積を増やすよりほかないと思います。
まだブランドの確立もできていないので、
とてもそこまでは手が届きませんが、
私の生きている間に
せめてそこまでは辿りつきたいと計画をたてています。

しかし、私たちが開発した水蒸気焙煎機を使うと、
コーヒーの香りが2週間どころか1年近くももつ上に、
酸化が進まないので、
エチオピアやコロンビアの安価な普及品を焙煎しても、
長期にわたって品質が維持できるという
手ごたえがありました。
もしその通りだとしたら、
思芽が大量に生産しているカチモールを焙煎しても、
グレード・アップされた製品が
できるのではないかと考えて、
思芽行きを思い立ったのです。

生産者のトップの人たちと何人もお会いしましたが、
今月、新しい焙煎機を
中国に持ち込む段取りになっているので、
結果待ちということになります。
もし私たちが予期した通りの結果が出たら、
消費地ではなくて
生産地で焙煎することが可能になりますので、
業界の地図が大きく変わることが考えられます。
コーヒー・ビジネスに関心のある方、
それを自分の商売にしたいと考えている方は、
どうぞごらんになって見て下さい。


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